気象情報のうち、生活や仕事に大きく影響する1つは降水の有無です。行事やイベントを開催できるかどうか。傘を持っていく必要があるか。雨だと客足が落ちるかな・・・など、雨が降るか降らないかは天気予報を見るうえでの一番の関心事でしょう。
そこで出てくるのは「降水確率」という言葉です。この数字が高ければ高いほど、雨が降りやすいというのは感覚的に理解できるかと思いますが、例えば「明日の降水確率は80%です」という天気予報があったとき、「明日は雨が降りそうだな」と判断できると思いますが、この80%とは何でしょうか?
気象庁発表の降水確率は、次のように定義されています。
a)予報区内で一定の時間内に降水量にして1mm以上の雨または雪の降る確率(%)の平均値で、0、10、20、…、100%で表現する(この間は四捨五入する)。
b)降水確率30%とは、30%という予報が100回発表されたとき、その内のおよそ30回は1mm以上の降水があるという意味であり、降水量を予報するものではない。
つまり過去の同じような気象状況の場合の降水の有無の記録より、経験則に基づく確率となっています。(具体的にはガイダンスモデルという統計処理を用いて算出しています。)”降水確率80%”とは、同じ予報が発表された場合、10回に8回は1mm以上の雨が降りそうですという事になります。「予報区の80%のエリアで雨が降る」わけでもないですし、「1日のうち80%の時間帯で雨が降る」という事でもありません。
また上記の定義から分かる通り、雨が強いか弱いかは判断できないですし、予報区のどこで雨が降るかもわからないです。また何時間降りそうなのかなども判断できないです。
これらの予報が必要な場合には、別の予報を見る必要があります。例えば「降水短時間予報」や「降水ナウキャスト」です。「降水短時間予報」は、1時間降水量について1km格子単位の分布図形式で行う予報であり、6時間先まで予報します。この予報であればどの地点でどの程度の降水が見込まれているかを知ることができます。
もちろん予報期間が短いため、予報が必要とされるタイミングで入手できるとは限らないわけですが、いろいろな予報情報が公開されておりますので、それぞれの特徴や限界を知ったうえで、上手に活用してください。