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ラニーニャ現象で今年の夏は暑くなるかも

スカイデータの冨です。やっと春が始まったかなと思ったら、いきなり寒の戻りが来たりと服装調整が大変ですね。

気象庁からの2016/4/11の報道発表で、エルニーニョ監視速報No.283が出されました。

これによると2014年夏からのエルニーニョ現象が弱まって、夏には終息している可能性が高いという事と、その後は夏の間にラニーニャ現象(La Nina)が発生する可能性が高いという事です。これにより今年の夏が猛暑になる可能性があるという事です。

ラニーニャ現象とは?

エルニーニョ現象と逆に東太平洋の赤道付近、ペルー沖で海水温が低下する現象の事を言います。「ラニーニャ」はスペイン語で「女の子」の意味です。海水温が上昇する現象の「エルニーニョ(El Nino 男の子)」の反対という意味で、このように呼ばれるようになりました。エルニーニョやラニーニャが発生する根本の原因はまだ解明されていません。

日本の気候への影響は?

日本からみて地球の裏側に位置するペルー沖の海面水温が、日本に影響するのは一見してイメージしにくいかと思いますが、気候への影響は地球規模でとらえる必要が出てきます。ラニーニャ現象が発生している場合には、赤道付近の東風が平常時よりも強くなります。この結果、太平洋西部、インドネシア近海に暖かい海水が溜まっていきます。逆に太平洋東部のペルー沖では冷たい水のわき上がり(湧昇)が平常よりも強くなります。サーモクライン(水温躍層)の比較的浅い冷水域が赤道に沿って西に拡大します。

これによりインドネシア近海において海水面温度が上昇することにより積乱雲の活動が活発になります。この影響で日本付近では夏の太平洋高気圧が北に張り出しやすくなり、平年よりも気温が高くなりやすい傾向があります。また、沖縄・奄美を中心として南部では平年より降水量が多くなる傾向があります。

参考:ラニーニャ現象発生時の日本の天候の特徴(気象庁)
http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/tenkou/nihon2.html

 

まだまだ数か月先の話でもあり、実際にエルニーニョ/ラニーニャ現象の状況にもよりますが、見立ての通りであれば、猛暑傾向とともに梅雨の時期が早く終わるなどの影響も考えられます。すでに西日本では猛暑の予想が発表されていますが、この後の情報発表にも注意が必要でしょう。