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気象予報による意思決定

スカイデータの冨です。台風7号が来るというので打ち合わせの日程変更をしてみたら、朝から青空。見事な快晴とセミの鳴き声で、ワタシの心もブルーになりました。

さて、私の例によらず、天気予報をはじめとする気象情報で意思決定をする状況というのは、結構あるわけです。個人レベルでは傘を持っていく/いかないの判断であったり、週末はアウトドア/インドアの選択などがありますね。気温によっても適した服装を選ぶ必要もありますし、意外と多くの判断をしていると思います。

これがビジネスレベルになると、お金がからんできて、さらに大きな判断となります。例えば、

  • 野外イベント、スポーツの試合など
  • 各種の工事(特に塗装や舗装など)
  • 交通関連(鉄道、航空、船舶などで出航/欠航の判断など)
  • 防災対策
  • 農業での収穫時期
  • エアコン/ヒーターなどの空調機やアパレルなどでの生産計画

この他にも、いろいろなシチュエーションで気象条件がかかわってきます。イベントの例では悪天候で中止の判断をすれば、それまでの準備のコストなどの発生に加え、収益機会を逸します。それゆえ、決行できるレベルかどうかの判断がシビアなものになってきます。

判断のポイントとしては、例えば次のような観点があります。

  • 対策にどの程度のコストが発生するか
  • 判断が正しかった場合に、どの程度の収益が見込めるか
  • 判断を誤った場合に、どのようなペナルティが発生するか
  • いつまでに判断する必要があるか
  • 人命リスクが存在するか

今回の台風での会議スケジュールの調整の判断は、例えば以下のような表になります。横軸は実際の天候。縦軸は開催した場合、中止した場合のケースです。

好天候 悪天候
延期(対策) 機会損失(=スケジュール遅延)

(金銭損失なし)

予定通り
実施(対策なし) 予定通り 交通障害による欠席者の発生&別日程で再実施のリスク

参加者が豪雨によりずぶ濡れ

今回の場合には、「延期」とした場合には、予報が外れて好天になっても、予報通りで悪天になっても、スケジュールが数日遅延するが許容範囲、かつ金銭的な損害は発生しないという事。逆に「実施」の場合には悪天の場合に、参加者に大きな迷惑をかけるというリスクがありました。また予報からは「悪天候」に確率が高いと判断し、このため「延期」という判断をしました。(結果として、左上の枠の状況になってしまい、残念!という結果ではありましたが、事前に想定したリスクの範囲です。)

上記の例では、メリット/デメリットともに定性的な表現になっていますが、イベント開催などではプロフィット/コストの具体的な金額が出てきます。また、横軸も好天になるか悪天になるかは、予報から判断しますが、これも数値予報を用いると「好天になる確率が**%」という表現になり、これらを用いて意思決定のモデルを組み立てる事が可能となります。つまり、対策に必要なコストと、予報があたった場合の収益/外れた場合の損失とのバランスを確率的に弾き出して、その大小で意思決定をするものです。もちろん一発勝負のケースでは使いにくいですが、何度か開催して知見が溜まってくると、判断の最適化が見込める場合があります。

もしこのような状況がございましたら、ぜひ弊社までご相談くださいという営業メッセージにて、本エントリーを締めさせていただきます。